The Danger of Dependence on Financial Institutions that Makes a Difference in Sapporo Real Estate Investment
はじめに
「銀行が貸してくれるなら、買います。」
「融資が通れば、購入したいと思います。」
不動産売買の現場にいると、このフレーズは非常によく耳にします。一見すると合理的で、リスクを抑えた堅実な判断のようにも聞こえます。しかし、この言葉には見過ごせないニュアンスが含まれていると感じています。
それは、最終的な投資判断を金融機関に委ねてしまっている可能性があるという点です。
融資が通るかどうかを基準にするということは、物件購入の判断基準の一部、あるいは大部分を金融機関の評価に依存するということでもあります。もちろん、金融機関の評価は重要な判断材料の一つであり、融資がなければ成立しない取引が多いのも事実です。そのため、この考え方自体を否定するものではありません。
ただ、それが当たり前になりすぎた時、不動産投資の本質から少しずつズレていく感覚があります。
融資基準での投資がもたらす構造的な限界
すでに数棟の物件を保有している投資家の方であれば、「この条件なら融資が出る」という感覚を持っているはずです。この基準は非常に便利であり、投資判断のスピードも上がります。
しかし同時に、この基準が無意識の制約になっているケースも少なくありません。
つまり、「融資が出ない可能性がある案件」を最初から検討対象から外してしまうという状態です。本来であれば収益を作れるポテンシャルがある物件であっても、融資というフィルターを通した瞬間に候補から消えてしまいます。
実際に、私が担当させて頂いていた物件で他の不動産会社にも販売協力を仰ぎなんとか売り切ろうと動いていた物件があります。
ただ、その物件はお客様や不動産会社から融資が出ないと言われ続けました。
本当にそうなのか?と気になり、金融機関に相談をしたことがあります。その結果売買金額の満額に近い回答を頂き成約まで漕ぎつけることができました。
この結果がもたらす答えの1つは、複数棟持っている方や経験が多い方ほど、イメージや過去の実績から無意識下で制約をつけて検討から除外してしまうことがあるという勿体ないケースに陥る可能性があることを示唆しています。
札幌の不動産投資市場においても、地下鉄沿線や中心部など、金融機関の評価が出やすいエリアに投資が集中する傾向があります。その結果、似たような物件を似たような条件で取得する構造になり、差別化が難しくなります。
評価が出やすい物件は当然競争も激しく、価格は市場に収束しやすくなります。つまり、「安定しているが利益が伸びにくい」というゾーンで戦い続けることになります。
「自分が買いたいかどうか」という原点
「銀行が貸してくれるから買う」という言葉に違和感がある理由はシンプルです。そこに「自分がその物件に価値を感じているか」という視点が抜けやすいからです。
本来は、「この物件は面白い」「自分なら収益を作れる」という確信が先にあり、その上で資金調達の手段として金融機関を活用するという順序であるべきです。
銀行に合わせて物件を選ぶのではなく、選んだ物件に対して銀行をどう説得するか。この主体性があるかどうかで、投資の質は大きく変わります。
我々のような不動産業者の中でも、金融機関の評価ばかりを気にして仕入れを行うケースはありますが、それでは本来の仕事である「目利き」を放棄しているのと同じです。
“化ける物件”こそ利益の源泉
融資評価はイマイチだけど、この立地には価値がある。改装工事やリーシング等のひと手間ふた手間をかけることによって、いわゆる「化ける」物件になる。これは現場では決して珍しい話ではありません。
むしろ、利益が大きく出る案件の多くは、取得時点では評価が低い物件です。
実際に、バイリンクでも年間で多数の物件を仕入れ・販売していますが、利幅の大きかった案件の多くは、購入時点では金融機関の評価が低い、あるいはほとんど評価がつかなかった物件です。
例えば札幌の白石区や東区にある築古物件で、稼働率が低迷しているケースでも、募集条件の見直しや内装改善、管理体制の調整によって稼働を引き上げることは十分可能です。
重要なのは、「現状の数字」ではなく「どこまで改善できるか」を見れるかどうかです。この視点を持てるかどうかが、利益を取れるかどうかの分岐点になります。
民泊転用という収益の作り方
さらに札幌の不動産投資においては、民泊という選択肢も無視できません。
札幌は観光需要が安定しているため、立地によっては賃貸よりも民泊の方が収益性を高められるケースがあります。特に地下鉄アクセスが良いエリアや中心部への動線が確保されている物件は、そのポテンシャルを持っています。
ここでポイントになるのが、「稼働率が低い物件ほど面白い」という点です。
通常であれば稼働率が低い物件は敬遠されがちですが、民泊転用を前提にすると話は変わります。空室が多いことで用途変更がしやすく、段階的に運用を組み立てることができるからです。
既に満室に近い物件ではできないような柔軟な施策が取れるため、結果として収益の伸び幅が大きくなります。
賃貸として見れば評価が低い物件でも、民泊として見れば十分に戦える。このように視点を変えることで、これまで見えていなかった収益機会が生まれます。
稼働率が高い物件にもリスクはある
前項で書いている通り、「稼働率が低い物件ほど面白い」というのは事実であると思います。
稼働率が低い場合、民泊として稼働するのも一つですが、逆に稼働率が高いことに関するリスクも存在します。
それは、長期で入居されている方の存在です。不動産という特性上、10年、20年と長期間入居されているケースも珍しくありません。その状態を「安定している」と捉え、そのまま放置してしまっているケースもあるのではないでしょうか。
ただ、ここで考えて頂きたいのが、10年前、20年前と現在の賃料相場は同じかという点です。
結論から言えば、多くのエリアにおいて賃料相場は変動しています。札幌においても、エリアや物件タイプによって差はあるものの、需要の変化や供給バランスの影響を受けて、賃料の適正水準は確実に動いています。
つまり、長期入居=安定ではなく、「適正賃料よりも低い状態で固定されている可能性」があるということです。
この状態は一見すると空室リスクがなく、安全に見えます。しかし実態としては、本来得られるはずの収益を取りこぼしている状態とも言えます。いわば“見えない損失”が積み上がっている状態です。
さらに、長期入居の物件は設備や内装が更新されていないケースも多く、いざ退去が出た際に一気にコストがかかるリスクもあります。長期間手を入れていないことで、競争力が低下している可能性も否定できません。
また、周辺の競合物件がリフォームや設備更新を進めている場合、相対的に見劣りする状態になっていることもあります。その結果、次の募集時に想定以上に苦戦するというケースも現場ではよく見られます。
つまり、稼働率が高い物件であっても、「なぜその稼働が維持されているのか」を分解して考える必要があります。単純に満室であることを評価するのではなく、賃料水準、入居期間、設備状況といった要素を総合的に見ていくことが重要です。
見方を変えれば、長期入居者が多い物件は「賃料の見直し余地がある」「リニューアルによる付加価値向上が見込める」という意味で、まだ手が加えられていない“改善余地の塊”とも言えます。
この視点を持つことで、稼働率が高い物件に対しても新たな戦略が見えてきます。例えば、退去のタイミングに合わせて段階的に賃料を適正化していく、あるいは一定の区画をリニューアルして商品力を高めるといったアプローチです。
重要なのは、「満室だから安心」と考えるのではなく、「本当に最大化されている状態なのか」を疑う視点です。この一歩踏み込んだ考え方が、収益の取りこぼしを防ぎ、資産価値を高めることにつながります。
金融機関との向き合い方
もちろん、金融機関の評価を無視することは現実的ではありません。資金繰りは事業の生命線であり、金融機関との関係性は極めて重要です。
ただし、それは「依存する」という意味ではありません。
金融機関の評価を一つの材料として活用しながらも、自分自身の判断軸を持つこと。これが重要です。
評価が出るから買うのではなく、価値があると判断したから買う。その上で融資を組み立てる。この順序を意識するだけで、投資の精度は大きく変わります。
summary
札幌の不動産投資において収益を伸ばしていくためには、金融機関依存から一歩抜け出し、自らの目利きで価値を判断する姿勢が不可欠です。
評価が低い物件の中には、手を加えることで大きく収益を伸ばせる可能性が多く残されています。さらに、民泊といった用途変更の視点を持つことで、収益の作り方そのものを変えることも可能です。
金融機関に合わせる投資から、自分の判断で選び、金融機関を活用する投資へ。この視点の転換が、次のステージに進むための重要な分岐点になります。
Representative director
Success in real estate investment is not achieved by luck or coincidence. I believe that every encounter, decision, and outcome is inevitable for a reason. That's why I take responsibility for each and every project and believe in finding the best path forward with reliable information and strategy.













