北海道で「札幌以外」はどうなのか インバウンドが強いエリアと、不動産・民泊の可能性を考える

北海道というと、やはり中心は 札幌 是
人口、仕事、交通、商業機能の多くが札幌に集中しており、北海道の経済圏は良くも悪くも「札幌一極」によって成り立っています。
ただ、近年はその構造にも変化が出始めています。
特に変化が大きいのが、インバウンド需要を強く取り込んでいるエリアです。
海外観光客の増加によって、単なる観光地ではなく、「宿泊産業」「不動産投資」「民泊運営」を含めた地域経済そのものが変化してきています。
今回は、
- ニセコ
- 洞爺湖町
- 富良野
- 美瑛町
- 旭川
を中心に、「インバウンドが強い北海道」がどのように変化しているのか、そして不動産・民泊の観点からどのような戦略が考えられるのかを書いていきます。
なお、
千歳、北広島、室蘭、苫小牧 については、空港・物流・半導体・工業・再開発といった別軸の話になるため、別記事でまとめる予定です。
ニセコは「国際リゾート」として別格になっている
ニセコ は、もはや北海道の地方観光地というより、「世界的スノーリゾート」として語られるエリアになっています。
冬になるとオーストラリアを中心に海外観光客が大量に流入し、飲食店や宿泊施設では英語対応が当たり前になっています。
場所によっては、日本語より英語のほうが通じる感覚すらあります。
ニセコの強みは、やはり世界トップクラスのパウダースノーです。
いわゆる “Japow” ブランドは海外スキーヤー・スノーボーダーの中で確立されており、「一度は行きたいスノーリゾート」として認知されています。
その結果、ホテル、コンドミニアム、別荘、飲食、管理会社など、地域全体が観光産業を軸に再構築されてきました。
不動産の観点で見ると、ニセコは既存建物も当然強いエリアです。
すでに宿泊需要が確立されているため、稼働を前提に既存施設を取得し、バリューアップしながら運営する形は十分成立します。
ただ、それ以上に面白いのが「土地から仕込む」という戦略です。
ニセコは今後もインバウンド需要が継続する前提で考えると、単純なインカムだけではなく、土地そのもののキャピタル上昇を狙える可能性があります。
特に海外富裕層向けの大型ヴィラや高価格帯民泊との相性は非常に良く、「建てる段階から世界市場を見据える」という考え方が成立する数少ない北海道エリアだと思います。
もちろん初期投資は重くなりますが、北海道の中では珍しく、“開発型” の投資が成立する地域と言えるでしょう。
洞爺湖は「別荘再生」と民泊の相性が良い
洞爺湖町 は、ニセコほど派手ではありません。
ただ、落ち着いた高級観光地として独特のポジションを築いています。
湖、温泉、自然景観。
全体的に「静かに滞在する観光地」という性格が強く、海外観光客との相性も非常に良いエリアです。
洞爺湖で面白いのは、過去に別荘地として発展した歴史があることです。
つまり、現在の市場には「元別荘」の物件が一定数存在しています。
そして、これらの物件が民泊との相性がかなり良い。
特に洞爺湖周辺では、「ホテルに泊まる」というより、“一棟貸しでゆっくり過ごす” ニーズが強いため、既存別荘をリノベーションして宿泊施設化する戦略が非常にハマりやすいです。
個人的には、洞爺湖は「土地から新築する」というより、既存ストックを活用するエリアだと思っています。
過去の別荘文化があるからこそ、今の民泊需要と噛み合う。
これは北海道の中でもかなり特徴的です。
特に温泉地周辺では、「多少古くても雰囲気がある物件」が成立しやすく、リノベーションによる価値向上余地も大きい印象があります。
富良野はエリアによって戦略が変わる
富良野 は、一括りには語れないエリアです。
特に「北の峰」と「街中」で性格がかなり異なります。
まず北の峰エリアですが、ここは完全にリゾート色が強く、海外需要との接続もかなりあります。
そのため、不動産戦略としては「土地から仕込む」が強いと思っています。
今後もインバウンド需要が続く前提で考えると、北の峰ではキャピタルとインカムの両方を狙える可能性があります。
つまり、
- 土地価値そのものの上昇
- 宿泊収益の積み上げ
を同時に狙える余地がある。
もちろんニセコほどマーケット規模は大きくありませんが、逆に言えばまだ伸びしろも残っています。
一方、富良野の街中は少し性格が違います。
こちらは生活エリアとしての機能も持っているため、既存建物を取得して運営するほうが現実的です。
街中では、観光客向けだけでなく、中長期滞在やワーケーション需要なども取り込みやすく、既存ストックを活かした民泊・簡易宿所運営のほうが収支設計しやすい印象があります。
つまり富良野は、「どこでやるか」によって戦略が大きく変わるエリアです。
美瑛は“住宅地民泊”が成立しやすい
美瑛町 は、北海道ブランドそのもののような場所です。
丘の景色、広い空、農村風景。
海外観光客から見ると、「イメージしていた北海道」がそのまま存在しているエリアです。
そして不動産の観点で見ると、美瑛はかなり独特です。
観光地でありながら住宅街も存在しており、さらに用途地域の制限が比較的少ないため、民泊用物件を仕込みやすい。
これはかなり大きいポイントです。
一般的な観光地では、用途制限や旅館業規制との兼ね合いで、思ったように宿泊施設を作れないケースも多いです。
ただ、美瑛では比較的柔軟に考えられる余地があります。
そのため、住宅系物件を取得し、宿泊用途へ転換していく戦略との相性が良い。
特に美瑛は「景色そのもの」がコンテンツなので、豪華な商業施設よりも、“北海道らしい滞在体験” をどう作るかが重要になります。
つまり、高級ホテル型というより、「一棟貸し」「暮らすように泊まる」方向との親和性が高いエリアだと思います。
旭川は“完成された都市”だからこそ既存建物が強い
旭川 は、今回挙げた中では少し特殊です。
観光地というより、「完成された地方都市」という性格が強い。
人口規模も比較的大きく、商業、医療、教育など都市機能が揃っています。
さらに、旭山動物園や富良野・美瑛方面へのアクセス拠点として、観光需要も持っています。
つまり、観光と生活インフラのバランスが非常に良い。
そのため、旭川での不動産戦略は比較的シンプルです。
土地開発よりも、既存建物を取得し、バリューアップしていく形が最も現実的だと思います。
すでに都市として完成しているため、「ゼロから街を作る」より、「既存ストックをどう改善するか」のほうが重要になる。
特に旭川では、
- 古いホテル
- 古いビル
- 既存住宅
- 空室化した物件
なども一定数存在するため、リノベーションによる再生余地があります。
また、旭川は道北のハブ都市でもあるため、単純な観光民泊だけではなく、出張・中期滞在需要とも相性が良い。
その意味では、北海道の中でも比較的“運営が読みやすい” エリアかもしれません。
「札幌以外の北海道」は、かなり面白くなってきている
北海道は依然として札幌中心です。
ただ、その一方で、インバウンドを軸にした地域ごとの個性がかなり強くなってきています。
そして面白いのは、エリアによって「最適な不動産戦略」が全く違うことです。
ニセコのように土地開発型が成立する場所もあれば、洞爺湖のように既存別荘再生が強い場所もある。
富良野のようにエリアごとに戦略を分ける必要がある地域もあれば、美瑛のように住宅民泊との相性が良い場所もある。
旭川のように、既存建物のバリューアップが王道になる都市もある。
つまり、「北海道で民泊をやる」と言っても、一括りでは全く語れない時代になっています。
最後に、弊社の関連会社では北海道内で約200室規模の民泊を運営しております。
実際の運営を通じて、エリアごとの需要や稼働、物件選定、運営上の課題なども日々蓄積されています。
北海道での民泊運営や不動産活用についてご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。












